大阪徘徊 続き
2時を過ぎてさすがに腹が減ってくるが、周囲にある飲食店は、どこへ入ればイイかもわからないほどの数で、ただただ目移りするばかり。「ええい、こういう暑い日は、いっそカレーだろう!」というわけで、《船場カリー》に入ってみた。大阪のココイチみたいなモノらしい。

イカスミ入りの黒いルーが特徴らしく、どのカレーも真っ黒。ちなみに写真は、揚げナスと温泉卵をトッピングしたモノ。見かけは悪いが、コレがなかなかの美味。分量もかなりあって、大汗かきながら完食。実は、ライスは小盛り(その代わりサラダがつく)を注文したのだが、店員の集中力が足りず、普通盛りが来てしまったのだ。まぁそれでも大満足だから許そう。もうココイチには戻れない。《船場カリー》の、一日も早い関東進出を祈るばかりである。(^O^)
一度ホテルに入って休憩して、夕方から出かける。今日は四天王寺で万灯供養をやっているのだ。四天王寺は数年前にも来た。閉門の時間に流れる《四弘誓願》という宗教合唱曲に強烈な衝撃を受けた覚えがある。あれをまた聴きたいと思った。ホテルから30分ほど歩いて、四天王寺に到着。万灯供養のため閉門もしていないし、もちろん《四弘誓願》も聞けなかったが、周囲には屋台なども出ていて特別な雰囲気。

万灯供養のローソクは、参拝者が購入?したモノを献灯台に並べるシステムであり、数十分で燃え尽きるため、次々と新しいローソクに変えられていくようであった。一本700円ほどらしかったが、ケチな私は勿論、献灯なんてしない。(^_^;) …と言うか、ローソクには故人の名前を書いて供養するので、信仰心のみで献灯するモノでもないようであった。
まだ明るい時間帯で、雰囲気も今ひとつであったが、6:30より第1回目の《万灯供養》が行われた。コレは、僧侶たちを先頭に、参拝者が般若心経を唱えながら、炎揺らめく伽藍のまわりをぐるり1周回るというモノだ。誰でも参加できるとのことで、フリガナ付の般若心経のアンチョコ(?)も配布されていた。コレは参加したいっ!
…がしかし、この手のモノには痛い思い出があった。鎌倉の円覚寺で、誰でも参加できるという《日曜朝の説法会》に参加したところ、いきなり般若心経の読経がはじまり、周囲はみんなマジメな信者の方々で、私だけ何も出来ずに、ひたすら下を向きつつ終わるのを待った…ということがあったのだ。しかし様子を見ていると、観光客をはじめ周囲の人たちがみんな気軽に参加している様子。周囲で知らん顔をしていると、呼び込み担当?の僧侶からアンチョコを渡される。とりあえず1回目は様子見を決め込んだのだが、心配とは逆に、私たち《知らん顔組》の方が完全に少数派であった。コレは、郡上八幡の《郡上おどり》パターンである。ふと気付くと、周囲がみ〜んな踊り出しており、踊らない人はいつの間にか踊りの輪に囲まれてしまっている…というヤツだ。こうなったらやるしかない。(^O^)

2回目の万灯供養は7:10からであった。周囲も暗くなり、ローソクの炎もイイ感じになってきた。私は放送に呼応して金堂前に集合した。しばし僧侶がワカラナイ経を唱える…が、慌てることはない。まだ般若心経には入っていない。ここは黙って待てば良い。1回目を見て確認済み?だ。(^O^)
いよいよ般若心経が始まる。私はアンチョコを見ながら、僧侶の読経と音程を合わせつつ読み始める。…と、意外にも周囲からはほとんど声が聞こえない。なんだ、周りはみんな《シロウトさん》じゃん? 「どこ読んでんだ?」みたいな雰囲気でしゃべっている人たちもいる。さすが庶民の信仰。こうなると私ばかり目立ってしまっている。ええい、こうなりゃやるしかない。私はまるで信心深い信者の如く、僧侶のようなイイ声で読経を続けた。(^O^)
しかしコレがなかなか難しい。般若心経には結構興味があったので、その意味内容を勉強したりもしていたのだが、読み方の練習まではしていない。だいたいはアンチョコ通り、一拍に一文字分ずつ読んでいけば良いのだが、時々ズレるのだ。例えば有名なところでは、「ギャーテーギャーテーハーラーギャーテー」であるが、次の一節は「ハーラーソーギャーテー」ではなく「ハラソーギャーテー」というように、一拍に2文字分読むくだりがあるのだ。そして、一度ズレると、たちまちどこを読んでいるのかわからなくなる。しかも周囲が暗くなった今、アンチョコも見えずらい。頼りはローソクの明かりのみ。僧侶の読経が境内に放送されるのだが、放送機材が不調で声がブツブツ途切れ、それがまた読経位置をわからなくさせる。しかしコッチとら、大きな声で模範的に読み始めてしまったのだから、途中でわからなくなってやめるワケにはいかない。(^_^;) こうなればもう必死である。私はいつしか《無心》となって経を唱えていた。自分が今どこを歩いているのかなんて、全くわからなかった。ただ「ローソクの炎のせいで結構暑いな…」ということだけを漠然と感じていた。
般若心経を2回繰り返したところで、列は金堂前に戻った。ここで3回目の般若心経を唱え、最後に四天王寺創設者、聖徳太子の本地仏である救世観音菩薩の御真言「オンバラダハンドメイウン」を数回唱えて、第2回目の万灯供養が終了した。私は最後まで、敬虔な信者の如く振舞えたことに自己満足した。(^_^;) なかなか貴重な体験であった。(^O^)

帰りは近くの新世界に寄り道して、串カツで一杯…といきたかったのだが、この時間になっても、腹の中では昼に食べた《船場カリー》が存在感を示していた。こうなると、間違えて《普通盛り》にしてくれた店員が恨めしい。心残りではあったが新世界をあとにし、コンビニでちょっと贅沢にプレミアムビールを買い込み、ホテルに戻った。風呂上りのビールは、まさに最高であった。(^O^)
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